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工場の生産現場をデータ収集で可視化! 具体的な収集方法や活用できるサービスとは

工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すには、生産現場のデータを収集・活用できる基盤づくりが不可欠です。

基幹システムや設備、機械、装置などから得られる膨大なデータを収集・活用することで、生産プロセスの変革につなげられます。

この記事では、工場の生産現場で収集するデータの種類や可視化の方法、活用できるサービスについて解説します。

設備データの収集・加工に関するお役立ち資料は、こちらからダウンロードしていただけます。

目次[非表示]

  1. 1.工場でのデータ収集はDXの第一歩
  2. 2.生産現場で収集するデータの種類
    1. 2.1.➀生産設備に関するデータ
    2. 2.2.②環境に関するデータ
    3. 2.3.③作業員に関するデータ
    4. 2.4.④生産現場の実績データ
  3. 3.データ収集によって工場の生産現場を可視化する方法
    1. 3.1.方法1 | 画像認識によるアナログメーターの読み取り
    2. 3.2.方法2 | ソフトウェアやゲートウェイ機器によるPLCデータの収集
    3. 3.3.方法3 | 後付けセンサーによるIoT化
    4. 3.4.方法4 | 紙文書のデジタル化
    5. 3.5.方法5 | データベースの構築による各種データの統合
  4. 4.工場でデータ収集・活用基盤を構築できるソリューション
  5. 5.まとめ

工場でのデータ収集はDXの第一歩

工場でのデータ収集は、DXを推進する第一歩となります。

工場のDXは、単なるデジタル化にとどまりません。あらゆるデータの活用を通じて製造プロセスの改善を図り生産性を高めたり、ビジネスモデルの変革によって収益力を強化したりすることで、持続可能なものづくりを目指すことがDXの目的です。

生産現場のさまざまなデータを収集・活用できる基盤を構築することで、DXの実現に向けた取り組みの推進が期待されます。例えば、要因分析や稼働監視、設備保守などに役立てられます。

▼生産現場のデータ収集による分析・活用例

  • 設備データから不良の発生要因を分析して品質向上に活用する
  • 設備や装置のデータをリアルタイムで収集して異常値を検知する
  • 設備の稼働データと過去の不良データを分析して保守計画を立てる
  • 過去の生産実績データを分析して需要予測を立てる など

工場のDXについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

生産現場で収集するデータの種類

工場の可視化には、生産設備・測定機器・作業員・実績などのさまざまな情報をデータとして収集する必要があります。

➀生産設備に関するデータ

生産設備に関するデータは、生産ラインに設置された工作機械やロボット、制御装置などから得られる情報を指します。

▼生産設備に関するデータの例

データ
取得する情報
ロボットや機械の稼働データ
稼働・停止時間、製造条件、運転モード、動作不良の発生日時・回数
制御装置の入出力データ
PLC・インバータ・CNCなどの入出力信号や数値
信号灯の点灯データ
信号灯の色、点灯開始時刻、点灯時間、点灯終了時刻

②環境に関するデータ

環境に関するデータは、生産設備や作業場に取り付けられた測定機器の数値、計測データを指します。

▼環境に関するデータの例

データ
取得する情報
アナログメーターの測定値
コンプレッサーやポンプ、ボイラー、熱処理炉などに取り付けられた計測器の測定値
各種センサーの測定データ
温度・圧力・流量・電力・照度・CO2濃度などを計測するセンサーデータ
カメラの画像・映像データ
生産ラインの監視カメラやロボット・機械に搭載されたカメラが撮影したデータ
マイクの音声データ
設備や機械の稼働中に発生する音や、火災報知器の警告音などのデータ

なお、アナログメーターの目視点検による課題については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

③作業員に関するデータ

作業員に関するデータは、生産現場にいる作業員の行動や動作、業務などに関する情報を指します。

▼作業員に関するデータの例

データ
取得する情報
製造工程
作業場や手元などをカメラで撮影した映像データ、手動による設備運転や機械操作の動作を計測したセンサーデータ、コントローラーの入力データ、ウェアラブルデバイスのデータ
点検記録
作業員が記入またはシステムに入力した点検結果やメンテナンス記録、故障対応履歴
位置情報
エリアセンサーの検知データ、RFIDタグの取得データ、ビーコンの取得データ

④生産現場の実績データ

生産現場の実績データは、紙の管理表や表計算ソフト、基幹システムなどで登録・管理している実績に関する情報を指します。

▼生産現場の実績データの例

データ
取得する情報
受入・検査実績
検査の品目、個数、検査日時、検査担当者、検査方法、合格基準、検査結果(適合・不適合)など
生産実績
製品の品目、生産数量、不良数量、製造原価、製造リードタイムなど
入出荷実績
仕入先、出荷先、入荷・出荷の日時、製品コード、ロット番号、数量など
作業実績
各工程の作業員、作業内容、作業時間、製造個数など

データ収集によって工場の生産現場を可視化する方法

工場でのデータ収集では、基幹システムや設備から直接データを取得する方法と、センサーやカメラを設置してデータを収集する方法があります。

方法1 | 画像認識によるアナログメーターの読み取り

アナログメーターの数値をデータとして収集するには、カメラを設置して目盛板の情報を読み取る方法があります。

カメラが撮影した画像データを画像認識技術によって数値化することにより、自動で測定データを収集できるようになります。

作業員による目視点検が不要になるため、測定精度の安定化を図れるほか、システムによる遠隔監視が可能になります。

方法2 | ソフトウェアやゲートウェイ機器によるPLCデータの収集

生産現場にある複数のPLCからデータを効率的に収集するには、ソフトウェアやゲートウェイ機器を活用することが有効です。

個々のPLCから出力されるデータを集約するゲートウェイ機器や、各データを統合管理するソフトウェアを活用することでデータ分析・活用の基盤を構築できます。

▼PLCデータの収集方法

収集方法
概要
マスターPLC
複数のPLCから得られたデータを集約するマスターの役割を持つPLC機器
IoTゲートウェイ
PLCとインターネットを無線接続して、出力されるデータを受信してクラウドシステムに送信する機器
データロガー
PLCデータの自動収集と通信プロトコルの変換を行い、インターネットを経由してシステムやデータベースへ送信する機器

方法3 | 後付けセンサーによるIoT化

PLCによるデータ収集ができない既存設備においては、後付けセンサーを設置する方法があります。インターネットと接続可能な後付けセンサーを取り付けることで、生産設備の稼働情報や環境情報に関するデータを収集できます。

▼生産現場における後付けセンサーの設置例

  • 冷却装置に温度センサーを取り付け、温度データを取得する
  • 設備の電源線に電流センサー取り付け、電気回路の電流データを取得する
  • モーターに振動センサーを取り付け、動作データを取得する など

設備や機械をIoT化するには、工場内のネットワーク環境を構築するとともに、収集したデータを一元管理できるシステムの導入が必要です。

方法4 | 紙文書のデジタル化

作業員が紙文書で管理している情報をデータとして収集するには、システムの活用によってデジタル化することが必要です。

▼デジタル化する紙文書の例

  • 点検記録表
  • 作業日報
  • 受入検査報告書
  • 故障対応の報告書 など

紙ベースで運用していた業務をデジタル化することによって、記入や転記作業の労力を削減できるほか、部門横断的なデータ共有・活用が可能になります。

方法5 | データベースの構築による各種データの統合

生産現場のデータを収集して工場全体を可視化するには、多種多様なデータを蓄積するためのデータベースが必要です。

メーターやセンサー、PLCなどの工場内に点在するデータを統合するデータベースを構築することで、分析に使用するデータの検索や部門間での情報共有がスムーズになります。

なお、データベースに蓄積したデータを分析・活用するには、規格が異なる各データを加工・処理して活用できる形式にすることもポイントです。

製造業におけるデータ分析の活用方法についてはこちらの記事をご確認ください。

工場でデータ収集・活用基盤を構築できるソリューション

アットフィールズテクノロジーでは、工場内の設備データをリアルタイムに収集・加工して可視化するツール『@Fields 設備データ収集』を提供しています。

既存設備の大掛かりな改修を行わず、アナログセンサーやPLCからデータを収集することが可能です。また、その後のデータ分析に活用できるように、データの加工や製造情報との紐づけなども行えます。

▼@Fields 設備データ収集の構成イメージ

@Fields Edgeの導入イメージ

各設備のデータを多種多様な方法で収集して、タブレットやパソコンで可視化できます。また、収集したデータの出力条件を設定して、データ分析に活用できる形式へと変換することも可能です。

詳しい製品情報は、こちらをご確認ください。

まとめ

この記事では、工場でのデータ収集について以下の内容を解説しました。

  • 工場におけるデータ収集の目的や活用例
  • 生産現場で収集するデータの種類
  • データ収集によって工場の生産現場を可視化する方法
  • 工場でデータ収集・活用基盤を構築できるソリューション

生産現場のデータ収集は、工場のDXを目指す第一歩となります。生産設備や測定機器、作業員、実績などのあらゆるデータを収集することにより、生産現場の状態を可視化でき、要因分析や稼働監視、設備保守などに役立てられます。

アットフィールズテクノロジーが提供する『@Fields 設備データ収集』は、既存設備の改修を必要とせず、アナログセンサーやPLCなどからデータを収集できます。「古い設備のデータ収集を行いたい」「データを収集して異常検知や自動化を行いたい」といった課題を持つ方は、ぜひご相談ください。

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