ー事例紹介ー

製造工程の不良モードを特定し、影響度を数値化
対策を構築して品質不良が1年間で半減

POINT

事例ポイント

1. お客様の課題


・ 大量の製造関連データを収集、見える化している中、改善活動でのデータ活用を強化したい。
・ データに基づく未然防止運用を構築したい。

2. 課題解決の成果


・1つの不良項目をデータを基に不良モード別に分解し、それぞれの不良モードの経営影響度を数値化。
・各不良モード毎に多変量モデルを構築することによる検知感度の向上と対策の加速。
・設備メーカー、工場内の各部門とも連携した改善サポートと運用強化。

3. 導入サービス


・ビッグデータ解析サービス
・データ有効活用サービス

INTERVIEW

事例インタビュー

お客様:電子デバイス製造業(二次電池) ※画像はイメージです
事例インタビュー部門:品質部門

ISSUE

背景・課題

数多くの収集データをより効果的に経営成果に繋げるためにデータドリブンのモノづくりに変革したい

カーボンニュートラルの実現のために、EVの普及が推進される中で、二次電池の需要が増加しています。車載製品を製造する責任は重く、安定した品質でモノづくりをするためには、データを活用した品質管理が必須です。そのため、弊社では製造データの収集やトレーサビリティーの強化に積極的に取り組んで参りました。

しかし、多くのデータを収集・活用している中で、属人化を排除し、より効率的に改善に繋げる取り組みの必要性を感じていました。例えば、データを解析し発生率が高い不良項目までは分かっても、複雑な製造工程の中で不良要因を特定することが難しく、改善を進め経営成果に繋げることに多くの時間を取られるような状況でした。また、データを活用して不良の未然防止が出来る運用を導入したいと考えていましたが、品質に影響を与える監視対象パラメータの抽出や選定が難しく、取り組みを加速することが出来ずにいました。
実態は技術者や現場作業者のカン・コツに頼った運用に留まっている状況でした。

カン・コツを形式知化し作業を高位平準化するため、またデータ活用スキルの強化をするのため、外部パートナーを活用することを考えました。
御社は、関連工場で現場密着でデータ解析から運用構築まで多くの実績があることを存じておりましたので、御社サービスの活用を検討することにしました。

SOLUTION

解決策と効果

1つの不良項目がなんと8つ以上の不良モードで発生!
各不良モードの効率的な効果刈り取り支援で、1年間で不良を半減
さらに、解析で見出した新規知見を盛り込んだ予兆管理運用の仕組みを導入

契約するにあたり、遠隔地の工場で、かつ実際に工場で現場現物の確認が困難な環境下に置いて御社が何が出来てどこまで踏み込むことが出来るのかが分からないことを懸念しておりましたが、契約前にデータ解析トライアルを実施いただくことで、御社の対応力とアウトプットを確認することが出来たので、御社と連携した改善取り組み推進のイメージを持つことが出来ました。
データ解析トライアルでは、解決したい課題や取得データ、製造工程を説明し、要望されたデータを共有しました。その結果、解析対象としていた1つの不良項目が8つ以上の不良モードで発生していることを特定していただき、各不良モードの不良率への影響度を数値で示すと共に、各不良モードに対しての今後の分析取り組み提案も提示していただきました。遠隔地のデータ解析でも、ただ単にデータを統計的に処理したアウトプットではなく、技術者の知恵やノウハウが詰まったアウトプット提示と現場目線での提案をしていただき、データを活用して経営効果を生み出すスキルの高さを実感し、発注することを決定しました。
 

御社のデータ解析・活用サービス導入により、弊社が得た効果は3点ありました。
  ① 課題となっていた不良の削減(品質ロスの削減)
  ② 定常監視運用の導入(安定した品質の製品を製造できる製造ラインの実現)
  ③ 原因不明の設備停止の削減(稼働ロスの削減)



①については、トライアルから引き続き各不良モードの要因究明を支援していただき、影響度の高い不良モードから順次対策を導入することで、1年間で不良率を約半減させることが出来ました。
②については、日々変動する設備に対して1の要因究明で特定した各不良モードに関係する設備データや品質出来栄えデータを活用し、製品出来栄えの変化に早期・高感度に気付き対応できる仕組み構築を支援いただきました。具体的には関連データを活用し、対象の不良モード発生時のみ変動する多変量モデルの開発と、それを定常的に監視する運用を提案していただきました。その運用を導入したことで安定した製造が出来るようになりました。
また、③については、設備停止時の対応が技術者のカンやコツに依存している状況であったため、結果的に設備対応の確度を低くしてしまうケースがある、という課題もありました。本件についても設備停止イベントデータを解析していただき、発生頻度の高い設備停止について、設備停止時に確認するデータ、判断基準の設定とともに、設備対応内容までを紐づけた対応フローを提案いただくことで設備対応の高位平準化を進めることが出来ました。さらに、設備の異常停止前に変化に気付いて対応する予知保全の仕組みの導入目的に、実データを用いたシミュレーションを行い提案までしていただきました。

NEXT

今後の展望

新製品や新工場でのさらなるデータ活用とデータ解析技術者育成に期待

御社と連携した取り組みを通して、データを活用して経営成果に繋げることが出来ることを実感しました。新しく製品や製造ラインを立ち上げる際には、さらに多くのデータを収集し、活用が求められると想定しているため、これまで以上に御社に活躍していただけるのではないかと考えています。
今後扱うデータがさらに増えることが想定されるため、自社内でもデータを扱うことが出来る技術者を育成したいと考えています。今後の取り組みを通して、御社には弊社内のデータ解析技術者育成にも携わっていただくこともお願い出来ればと考えています。
また、御社はデータ解析のみならず、システム開発、工法開発の技術を保有しサービス展開を行われているので、今まで以上に連携を強化し、さらに現場に入り込んで取り組みを推進していただけることを期待しています。

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「Atfieldsのデータ解析が不良要因究明できる理由」

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