製造業に特化したコンサルティングサービスとは~強みの分類と選び方~
近年、製造業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や人手不足への対応などのさまざまな課題が生まれています。
自社のみで課題を解決することが難しい場合には、製造業に精通したコンサルティングサービスを活用することも一つの方法です。
製造業の担当者さまのなかには、「製造業に特化したコンサルティングサービスにはどのようなものがあるのか」「コンサルティングサービスをどのような基準で選べばよいのか」などと疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、製造業向けのコンサルティングサービスにおける一般的な強みの分類と選び方について解説します。
目次[非表示]
製造業向けコンサルティングサービスの強みの分類
製造業向けのコンサルティングサービスにはさまざまなものがありますが、一般的には3つに分けられます。
①戦略系コンサルティングサービス
戦略系コンサルティングサービスでは、経営的な視点から製造業における経営戦略の立案から研究開発、営業力や生産力の強化などの現場施策までを一貫して支援します。
コンサルティングサービスを提供する会社によって対応内容や範囲は異なりますが、主に以下のようなサポートを行っています。
▼主なサポート内容
- 長期ビジョン・中期経営計画の策定
- 新規事業の創出・立ち上げ・販路開拓の支援
- 開発プロセスの改善支援
- 営業・マーケティング戦略の立案
- 原価管理体制の強化による工場PLの改善支援
- 設備投資やDX化に関する戦略の立案
- 教育体系や人事制度の構築・改善の支援 など
②製造業DXコンサルティングサービス
製造業向けコンサルティングサービスではDXを推進する分類もあります。
製造業には、調達・生産(計画/製造/検査)・物流・販売・サービスといったサプライチェーンと呼ばれる一連の流れが存在し、各分野における悩み・課題もさまざまです。製造業DXコンサルティングサービスはこれらの課題をデジタルの力で解決に導くサービスを指します。
このサービスにはサプライチェーンの各分野に特化したものもあれば、全体の最適化を図るものもあります。後者においては①戦略系コンサルティングサービスでも提供する場合があるため、自社の課題特性に応じて、適切なサービスを選択をすることが重要です。
ここでは主にサプライチェーンの中ほどに位置する、生産分野におけるDXコンサルティングサービスの選び方の例を挙げます。
生産分野(製造現場)では、人・機械・インフラ・業務システム等の要素が複雑に絡み合っているため、デジタル技術の活躍シーンも多くなります。そのため、個別のシステム開発だけではなく、経営視点・現場視点の両面から課題分析を行い、各要素をとりまとめるIT化企画構想からシステム開発、運用サポートまでを一貫して対応してくれるサービス先を選ぶと、望む成果につながりやすくなるでしょう。
▼主なサポート内容
項目 |
サポート内容 |
IT化構想支援 |
|
アプリ開発 |
|
ITインフラ構築 |
|
システム監視 |
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③モノづくり改善コンサルティングサービス
モノづくり改善コンサルティングサービスでは、エンジニアリングチェーンと呼ばれる製品企画設計や、開発、量産、品質管理までの一連の業務を支援します。これにより、高効率かつ高品質なモノづくりを実現します。
モノづくり改善コンサルティングサービスを選ぶうえでは、まず、コンサルタント自身が現場に入り込み、実際のモノづくりを熟知しているか否かを確認することが重要です。
製造現場は5M+1E(人、機械・設備、方法、原料・材料、検査・測定、環境)が極めて複雑に絡み合っています。そのため、5M+1Eの関係性を紐解いて改善策を見出すことは、実際の現場で豊富な経験を積んだコンサルタントでなければ困難です。このことから、経験値が豊富なコンサルティングサービス先を選択することが望ましいといえます。
次に、エンジニアリングチェーンにおける川上(企画開発)から川下(量産導入)まで一連の流れを全て把握していることが重要です。
モノづくりは有機的な流れの上で成立しており、一つの工程においては改善策であることが、前後別工程において悪影響を及ぼすこともあります。そのため、工程の全てを熟知し、量産の効率化とリスクの両面からアプローチできるコンサルタントでなければ、正しいフィードバック・フィードフォワードを実行できません。
モノづくり改善コンサルティングサービスを選ぶ際はこれらのことに留意しましょう。
▼主なサポート内容
項目 |
サポート内容 |
現場データの収集 |
|
ビッグデータの解析 |
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データの有効活用 |
|
経験やノウハウの提供 |
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設備の設計と導入 |
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なお、工場の“見える化”についてはこちらの記事をご覧ください。
自社の課題に合わせたコンサルティングサービスの選び方
製造業向けのコンサルティングサービスを活用する際は、自社の課題に合わせてサービスを選ぶことが重要です。
▼製造業の課題とコンサルの領域
課題 |
①戦略系 |
②DX |
③ものづくり |
生産コストを削減したい |
〇 |
〇 |
〇 |
経営効果の高い施策を知りたい |
〇 |
‐ |
‐ |
人手不足を生産能力向上で補いたい |
‐ |
◎ |
◎ |
製品の品質向上を図りたい |
‐ |
〇 |
◎ |
スマート工場を実現したい |
‐ |
◎ |
‐ |
ITでシステム基盤を見直したい |
‐ |
◎ |
‐ |
近年では、生産性の向上や新たな付加価値を創出するために工場のDX化が推進されています。工場のDX化には、IoTやAIなどのデジタル技術を導入するだけでなく、現場から収集したビッグデータを解析して、設備設計や生産プロセス改善などに役立てることがカギとなります。
つまり工場のDX化を高いレベルで実現するには、デジタル技術を導入する領域にとどまらず、モノづくりそのものの領域を改善することが重要です。
まとめ
この記事では、製造業のコンサルティングサービスについて以下の内容を解説しました。
- 製造業向けコンサルティングサービスの強みの分類
- 製造業の課題に合わせたコンサルティングサービスの選び方
製造業向けのコンサルティングサービスには、経営戦略の策定から現場の改善支援などを経営の視点からサポートする戦略系コンサルティングサービスをはじめ、工場のDX化、モノづくり改善などのコンサルティングサービスがあります。自社が抱える課題を踏まえたうえで、その分野を得意とするサービス会社を選ぶことがポイントです。
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